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2017年観た97本の中から、ベスト映画を語る。【前編】

病床からこんにちは。年越し?うなされて寝てたよ!2017年観た映画をフィルマークスで1月から振り返ってみました。お気に入りの作品をつらつら、だべるように話していきます。

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『キャロル』

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アカデミー賞は逃してしまったけれど、多くの映画賞にノミネートされていた本作。シアーシャ・ローナン主演の『ブルックリン』と同じ時代設定なので似た雰囲気がある。

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色っぽいマダムなケイト・ブランシェット、若くて全力なルーニー・マーラの演技が神がかっている。ルーニー・マーラの演技に主演2人の視線視線視線視線。恋が始まる時って、日本人は空気感かもしれないけど、欧米人はやっぱり"視線"だなって思った。『アデル、ブルーは熱い色』以来の衝撃だった。ぜひ本編で確かめてみて。

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 『沈黙-サイレンス-』

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これは本当に辛かった。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で有名なマーティン・スコセッシ監督に、NEWスパイダーマンアンドリュー・ガーフィールドリーアム・ニーソン、『スター・ウォーズ』でバカ売れしているアダム・ドライバー、日本からは窪塚洋介浅野忠信、チョイ役に小松菜奈ちゃんや加瀬亮が出ている……という豪華映画で賞も獲るかと思いきや今一つだったのが残念。アメリカだとそもそも公開が2015年なんですね。監督の原作者・遠藤周作に駆ける思いが半端ない。

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人の心を豊かにするはずの信仰。けれども信仰を守ってまで、守れるものは何なのか。神は本当にいるのか?後半にいくにつれて、主人公と同じく胸がギュッと苦しくなる。古代から戦争の大半は宗教戦争で、日本は欧米に比べたらなかった方だけれども、こういういち時代もあったのだ。日本人にこそ見てほしい1本。

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遠藤周作の小説はページ数があまりないのでサラッと読めますが、重みがすごい。学生時代『海と毒薬』を震えながらページを捲ったのを覚えています。

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映画の話に戻ると、キャストが体を張りすぎてみんな死んじゃうのでは……とハラハラする。本当にこういう人がいたんだろうなぁと思わせる塚本晋也さんの演技が特に泣かせられる。中盤で、海に磔にされるシーンがあるのだけど「晋也さん、本当に死んじゃうよ~~!」って思い泣きながら観た。

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ご本人いわく、相当大変だったらしい。他のインタビューでも「死ぬかと思った」みたいな話をしていた。

本国のタイトルだと「サイレンス」、日本だと「沈黙」。もちろん同じ意味だけど、沈黙という静寂さや重々しい空気をまとった響きがしっくりくるのも特徴。こういう時、日本語の綺麗さや繊細さを改めて認識するよね。終始、音楽がないのも特徴で、心が揺さぶられた後にくるエンドロールは、なんと蝉の声だけ。映画館中に響き渡る蝉の声と、圧倒されるラスト、一生忘れられない映画体験だと思った。

 

『きみはいい子』

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胸にグッと来た。児童虐待の話で苦しくて重いけれども、良い映画。高良健吾と尾野真知子出てるんだけど、ちょっとマイナーなのが残念。Filmarksも星4.0なのでぜひ。

 

『沈黙』について語り過ぎたので、続きます。笑